お気持ち海水浴場

なんか書きたいときに書きます。

社会人生活 310+1日目

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社会♡@aka_ota9
since 2021.04.01~

繋がってから…
310日
44週2日
10ヶ月4日

社会くんと私の、310日―――






アジェンダ(社会くんから教わったことばです)

社会くんとの出会い

出会いは大学3年生の秋。私は何となく、うわさに聞いていた社会くんのことを意識し始めました。
まだまだ学生気分で、自由気ままに生活していた頃です。

社会くんといえば、「社会くんと繋がりがある」と公言するだけで周りから良い扱いを受けられるようになる、すごい力を持った人。
彼に認められるということがこの世界では一種のステータスとなり、日常生活から病に倒れたときまで、様々な場面で社会くんのネームバリューが発揮されます。

「私も大学を卒業したら、あの社会くんにお近づきになれるかな…?」
そんな落ち着かない気持ちで日々を過ごしていました。

時は流れて12月。研究室バトルを終え、一息つこうとしていると、社会くんと親交の深い御社ちゃんからこんな連絡が。
「私たちの仲間になれば、あの社会くんとつながれるよ」

社会くんと”繋がり”チャンス…!?
私は御社ちゃんが運営するサークルの新歓に足しげく通い、気に入ってもらえるよう猛アピールを続けました。

そして大学4年生の春。
努力の甲斐あって、私は大学卒業後に御社ちゃんの社会サークル*1に参加できることになりました。

社会くんと過ごすあたらしい毎日

そして昨年4月、大学を卒業した私は、ついに社会くんと初対面の日を迎えました。

今までの生活とはまるで違う毎日が始まります。
乱れていた生活リズムを社会くんに合わせてととのえ、彼の前では昨日までの浮ついた学生気分を出さないよう努めました。

社会サークルには自分と歳の離れた先輩がたくさんいて、新入りの私は仕事やサークルの雰囲気について行くので精いっぱい。
最初は、このサークルでやっていけるのか不安で、浮かない気持ちになることも多くありました。
サークルの先輩から無茶な指示を受け、頭を悩ませたり、逃げ出したくなったり。
サークル活動で心や時間の余裕がすり減って、自分の趣味から遠ざかることも。

社会くんのそばに居るためにはたくさんの苦労が伴うということを、この身をもって感じました。


あれから約310日が経ち、最近はこの生活にも少しだけ慣れてきました。
御社ちゃんが運営するサークルで社会くんのために働き、見返りとして社会くんとのつながりとお給料をもらう。
社会くんの役に立ち、自分の生活を安定させるため、慣れないサークルでせっせと働く日々。

ですが、そんな毎日に嫌気がさしてきて―――

社会くんとのすれ違い

最初は張り切って社会くんの生活リズムに合わせていました。
ですが最近は、大学生時代の自堕落な生活に戻りつつあります。
もちろん社会くんにあきれられるほどではありませんが、早寝早起きを是とする社会くんから見たら、今の私はきっと怠惰な人間でしょう。
だけど社会くんは何も語りません。彼は私のことを気にも留めてくれないのです。

社会くんと過ごす毎日は単調で、辛いこともたくさんあります。
朝起きて働いてご飯食べて寝て、のくりかえし。
週に2日は社会くんと距離を置いていますが、最近はその2日が生きがいになりつつあります。

社会くんのことを考えない方が幸せなのかもしれない。そんな気持ちで頭がいっぱいになってしまいました。
私の気持ちは日に日に社会くんから離れていきます。


また、社会くんとのつながりを保ち続けるためには、社会くんに「彼女料」を支払わなければなりません。
この彼女料が高額で、給与明細を見るたび彼女料の高さに愕然とします。
しかもこの彼女料は、社会サークルに所属する年数が長くなるにつれて高くなっていくのです。
社会くんとのつながりを保ち続けるためには、高額の彼女料を支払わなければなりません。


薄れていく社会くんへの気持ちと彼女料問題。
そして何よりも、自分の時間のほとんどを社会くんのために使い続けていくことに対する不安。

私は本当に社会くんと一緒に居たいのか、わからなくなってしまいました。
どうやら私は、早くも倦怠期に突入してしまったようです。
社会くんに対する気持ちも、日に日にネガティブな面が強くなっていきました。

無職くんの誘惑

無能な私は、意識の高い社会くんについて行くので精一杯。
私なんか、社会くんに釣り合う器ではなかったのです。

そんなときに現れたのが、無職くん。
さまざまな無理難題を押し付けてくる社会くんに疲れ切っていた私は、無職くんに心を奪われかけてしまいました。

無職くんは私に、「社会のために働く必要なんて無い。毎日好きなことをして、自由に暮らせばいいんだ」とささやきます。
この先もずっと、社会くんのために尽くしてへとへとになる生活を続けなければならないのか。
社会くんとの将来を考えると、私には彼を支えてあげられる自信が持てませんでした。

ですが、私は社会くんに生活を支えてもらっている身。無職くんはとても魅力的だけど、私の生活を守ってくれる甲斐性は持っていません。
社会くんとのつながりがなくなってしまったら、私はこの先暮らしていけるのでしょうか。
そう考えたら、社会くんに対する不満はいくつもあれど、この関係をいま辞めるわけにはいかない。そんな答えになりました。

社会くんと歩む未来

社会くんとひと時も離れず、一生添い遂げることは、きっとできません。
私なんかが居なくても、社会くんにはたくさんの”理解のあるわたしちゃん”が居ます。
たかが私一人なんて、社会くんにとってはどうってことないに違いないのです。

だから、そう遠くない未来に、一度社会くんとの関係に区切りをつけようと思っています。
それは無職くんとの火遊びかもしれないし、サークルを抜けて社会くんとゆるく繋がる一匹狼になる道かもしれません。

区切りをつけたら、社会くんのことを忘れて、遠くへ旅に出たいな。
大学最後の年はコロナで色々制限されてしまったので、社会くんに縛られず、ゆっくり過ごす時間があってもいいんじゃないかと思うんです。

それまでは、なんとか社会くんに必死について行こうと思います。
支えがなくても半年くらい生きていけるお金や力が揃うまでは、頑張ってしがみつきます。

いつか力をつけて、社会くんのことを見返せる日まで。









テーマは「よくわからんwebメディアで連載される知らんアラサー女の恋愛エッセイ」です


社会に出て310日、先は長い。

*1:社会くんのために奉仕活動を行うサークル